斜陽産業(衰退期)を狙う低コストWeb集客戦略をプロダクトライフサイクルで解説するアイキャッチ画像

「広告費もSEOにかける費用も毎月しっかり出ていくのに、問い合わせは思ったほど増えない」。Web集客のご相談で、私が今いちばん多く受けるのがこのお悩みなんですよね。ちゃんとサイトも作った、リスティング広告も回した、記事も書いている。なのに費用対効果が合わない――。真面目にやっている方ほど、この壁にぶつかりやすい気がします。

で、こういうとき私は「やり方」より先に、そもそも狙っている市場が正しいのかを見直すようにしています。実は集客のコストと競合の激しさって、あなたの努力とはほぼ関係なく、その商品・サービスが今どの「ライフサイクル」にいるかでだいたい決まってしまうんです。今日はこの話を、マーケティングの古典「プロダクトライフサイクル理論」を軸にお話ししますね。

結論を先に言ってしまうと、多くの会社が狙う流行りの市場(成長期)は、遅かれ早かれ広告費が高騰してレッドオーシャンになります。逆に、一人社長や副業という前提なら、みんなが見向きもしない「衰退期=斜陽産業」こそが、コストをかけずに勝てる穴場だったりするんです。私が昔担当していた、ある印刷加工業者さんの実話も交えてお伝えします。

この記事でわかること

  • プロダクトライフサイクル(導入期〜衰退期)でWeb集客のコストと競合がどう変わるか
  • なぜ成熟期・飽和期にリスティング単価が高騰しSEOが上位化しにくくなるのか
  • 大手資本が参入してくると中小・零細がなぜ淘汰されるのか
  • 「会社を大きくしない」前提なら衰退期が狙い目になる4つの理由
  • 印刷加工ブローカーの実話に見る「衰退商材×低コスト集客」のリアル
  • 買取・仲介などリスクなしで衰退商材を扱う具体的な方法

申し遅れました。私はホームページ制作と集客支援の現場に10年以上携わっていて、これまで中小企業や個人事業主さんのサイトを数多くお手伝いしてきました。教科書的なフレームワークの解説ではなく、「実際にどの市場だと集客がラクで、どの市場だとお金がいくらあっても足りないのか」という、現場で見てきた肌感覚をベースにお話ししていきますね。

なぜ多くの企業は「成長期」を狙って消耗するのか

ほとんどの会社は「業績を伸ばしたい・会社を大きくしたい」という前提で動いています。

だから当然、これから伸びる流行りの市場に乗ろうとするんですよね。プロダクトライフサイクルでいう「導入期」から「成長期」、つまり波が来ているタイミングを狙って参入する。この発想自体は、会社を成長させたいなら至って正しいんです。問題は、その「正しさ」がずっと続くわけじゃない、という点にあります。

プロダクトライフサイクルの5段階(導入期・成長期・成熟期・飽和期・衰退期)と売上曲線を示した図解

プロダクトライフサイクルの5段階をおさらい

プロダクトライフサイクルは、商品やサービスが世に出てから消えるまでを、生き物の一生になぞらえた考え方です。ざっくり5つの段階に分けられます。

  • 導入期:市場に出たばかり。認知が低く、売上も小さい黎明期
  • 成長期:一気に認知が広がり、売上がぐんぐん伸びる時期
  • 成熟期:市場に行き渡り、成長が鈍化。売上・利益が最大に近づく
  • 飽和期:需要がほぼ一巡し、競合ひしめく消耗戦に突入する
  • 衰退期:需要が減り、売上も利益も少しずつ縮んでいく

教科書では4段階(導入・成長・成熟・衰退)で語られることも多いんですが、Web集客の現場感覚だと、成熟期のあとに来る「飽和期=みんなが同じことをやって疲弊する時期」を分けて考えたほうがしっくりきます。というのも、集客が本当にしんどくなるのは、まさにこの飽和のタイミングだからなんですよね。

導入期・成長期は「実力がなくても行動量で売れる」時期

導入期から成長期にかけては、正直、実力や緻密な戦略がなくても、行動量さえあれば売れてしまう時期です。

需要が伸びているのに供給(=競合)がまだ追いついていないので、多少やり方が雑でも、数を打てば当たる。Web集客でいえば、この時期はまだそのキーワードで記事を書く人が少ないからSEOでもすぐ上位に出るし、リスティング広告のクリック単価も安い。だから「とりあえず動いた人」がごっそり刈り取れるんです。多くの会社が成長期を狙うのは、この“ボーナスタイム”に乗りたいからなんですよね。

ここで押さえておきたいこと

  • 成長期は「需要 > 競合」なので、行動量だけで成果が出やすい
  • ただしこの状態は永遠には続かない。必ず競合が増えてくる
  • 勢いだけで参入した実力のない会社ほど、次の段階でつまずく

成熟期・飽和期にWeb集客が地獄になる理由

成長期の“ボーナスタイム”は、成熟期・飽和期に入った瞬間、あっけなく終わります。

ここからが本題なんですが、この理論をWeb集客に当てはめると、成熟期・飽和期は本当にしんどい時期になります。ニーズはまだあるのに、集客コストだけがどんどん膨らんでいく。真面目にやっているのに手元にお金が残らない、という状態に陥りやすいんです。

成熟期・飽和期にリスティング広告単価が高騰しSEOがレッドオーシャン化し大手が参入する様子を示した図解

リスティング単価の高騰とSEOのレッドオーシャン化

成熟期・飽和期になると、同じ市場を狙うプレイヤーが一気に増えます。すると何が起きるか。まずリスティング広告のクリック単価(CPC)が高騰します。同じキーワードを大勢が奪い合うので、入札単価がどんどん吊り上がっていくんですよね。以前は1クリック数十円だったものが、数百円、業種によっては数千円になることも珍しくありません。

SEOも同じです。稼げるキーワードには競合がびっしり集まって、資本のある会社が大量に記事を投下してくる。個人や小さな会社が片手間で書いた記事では、なかなか上位に食い込めなくなります。そして最後には、値引き合戦が始まる。ニーズはちゃんとあるのに、広告費とSEO費用ばかりが出ていって、利益が削られていく――これが飽和期のリアルなんです。

この時期に脱落する会社の特徴

導入期・成長期の勢いだけでやってきた、実力のない会社ほどこの飽和期に一気に脱落します。集客コストが上がった瞬間に採算が合わなくなり、広告を止めた途端に問い合わせがゼロになる。「集客を広告の力だけに頼っていた会社」は、ここで足元をすくわれやすいんです。

資本力のある大手が一気に参入し中小が淘汰される

さらに厄介なのが、この時期になると資本力のある大手が目をつけて、一気に参入してくることです。

市場がある程度大きく育って「これは儲かるぞ」と見えた段階で、潤沢な広告予算と人員を持った大手がドンと乗り込んでくる。あっという間にレッドオーシャン化して、巨大資本にごっそり持っていかれてしまうんですよね。こうなると、中小・零細はもう成す術がありません。広告費でも人員でもコンテンツ量でも敵わないので、静かに淘汰されていく。成長期にあれだけ盛り上がった市場が、気づけば大手数社の寡占になっている――というのは、本当によくある光景です。

  • 広告予算の桁が違うので、リスティングの入札で勝てない
  • 専任チームが大量にコンテンツを出すので、SEOでも押し負ける
  • ブランド力・価格力で比較検討の土俵にすら乗せてもらえない

つまり成熟期・飽和期に真正面から突っ込むというのは、体力(資本)勝負のフィールドに、丸腰で飛び込むようなものなんです。大きく育てたい会社なら勝負する価値もありますが、そうでないなら、わざわざ消耗戦の真ん中に立つ必要はないと私は思っています。

発想を変えると「衰退期」こそ狙い目になる

ここまでの話は、あくまで「会社を大きくしたい・業績を伸ばしたい」という前提での話です。

でも、その前提を一度外してみてください。「一人社長で、自分ひとりが食べていければいい」「本業とは別に、副業として少し稼げれば十分」――もしあなたがこういうスタンスなら、狙うべき市場はまるっきり逆になります。みんなが避ける「衰退期」の商品・サービスこそ、あなたにとってのブルーオーシャンになるんです。

衰退期を狙うと得られる4つのメリット

  • 大手の新規参入がほぼない:市場が縮小しているので、大手は魅力を感じず入ってこない(体感95%来ない)
  • Web集客の費用が安い:競合が少ないのでリスティング単価も安く、ほぼお金をかけずに集客できることも
  • SEO対策がやりやすい:そのキーワードで戦う相手が弱いので、少しの対策で上位を取りやすい
  • ニーズはゼロにはならない:需要は少なくても確実に存在し、競争が非常に楽なブルーオーシャンに近い

ポイントは、衰退期の市場は「需要が少ない」だけで「需要がゼロ」ではないということです。大手からすれば、縮んでいく小さな市場にわざわざコストをかけて参入する意味がない。でも、一人でやる分には十分すぎる需要が残っている。この「大手には小さすぎ、個人にはちょうどいい」というサイズ感の隙間に、おいしいポジションが眠っているんですよね。

【体験談】印刷加工ブローカーのクライアントが教えてくれたこと

この「衰退期こそ狙い目」という感覚を、私にはっきり教えてくれたクライアントさんがいました。かなり前に担当していた、印刷加工の仲介業者(ブローカー)さんの話です。

衰退する印刷業界で受注を地方の工場に流すだけの印刷加工ブローカーのビジネスモデルを示すイラスト

ご存じの通り、書籍などの印刷業界は年々縮小していて、地方では廃業する印刷会社も少なくありません。当然、印刷加工の仕事もじわじわ減っていく一方です。まさに教科書どおりの「衰退期」の業界なんですよね。普通に考えたら、これから参入するなんて正気じゃない、と思われるかもしれません。

ところが、そのクライアントさんは違いました。ニーズはゼロにはなっていない。少ないながらも、印刷加工を必要としている人は確実に存在する。だからネット集客でも意外とちゃんとPV(アクセス)があって、問い合わせもぽつぽつ入ってくるんです。しかも競合が少ないから、成長期の商材のように広告費をジャブジャブ使ったり、必死にSEO対策をしたりする必要がまったくなかった

「大きく稼ごうとは思ってないんですよ。受注が取れたら、そのまま地方の工場さんに流すだけ。仕入れも在庫もいらないし、経費なんてレンタルサーバー代と、ちょっとしたSEO対策くらい。これで自分ひとり食べていけるなら、十分ありがたいんです」

このビジネスモデル、よくできているんですよね。あくまでブローカー(仲介)的な立ち位置なので、受注を取ったら地方の工場にそのまま流すだけ。仕入れも在庫もいらないから、経費らしい経費がほとんどかからない。大きく稼げるわけではないけれど、リスクはほぼゼロ。定年を迎えた方が、年金にプラスして無理なく続ける副業としては、これ以上ないくらいピッタリの仕事だな、と当時の私は感心したのを覚えています。

この事例からわかること

  • 衰退産業でも「ニーズはゼロにならない」から、少ない需要を独占できる
  • 競合が弱いのでWeb集客にコストをかけずに問い合わせが取れる
  • 仲介・ブローカー型なら在庫も仕入れも不要でリスクが極小
  • 「大きく稼がない」前提なら、衰退期は最高にコスパの良いフィールドになる

衰退期ビジネス×Web集客が噛み合う条件

ここまでの話を、成長期と衰退期の「集客のしやすさ」で比べてみましょう。

同じWeb集客でも、狙う市場がライフサイクルのどこにいるかで、かかるコストも競争の激しさもまったく変わります。表にするとこんなイメージです。

比較項目成長期・飽和期を狙う衰退期を狙う
リスティング単価高い(年々高騰)安い(競合が少ない)
SEOの難易度高い(強豪ひしめく)低い(弱い競合が中心)
大手の参入多い(一気に来る)ほぼない
需要の大きさ大きい小さいがゼロではない
向いている人会社を大きくしたい人一人社長・副業でOKな人

もちろん、衰退期がすべての人にとって正解というわけではありません。大きな売上や事業拡大を目指すなら、需要が小さい衰退期は物足りない。だからこそ、狙うべきかどうかは「あなたが何を目指しているか」で決まります。メリット・デメリットを整理するとこうなります。

衰退期を狙うメリット

  • 集客コストが圧倒的に安い
  • SEOで上位を取りやすい
  • 大手が来ないので競争が楽
  • 仲介型ならリスクが極小

衰退期を狙うデメリット

  • 需要が小さく大きくは稼げない
  • 市場は縮小し続ける前提
  • 事業拡大には向かない
  • いずれ需要が尽きる商材もある

この一覧を見て「大きく稼げないのはちょっと…」と感じるなら、あなたは成長期向きの人です。逆に「一人分の食いぶちが、低リスク・低コストで手に入るなら十分」と思えるなら、衰退期はあなたのための狙い場だと思いますよ。

こんな人・こんな業種なら「衰退期狙い」がハマる

衰退期戦略がハマるのは、身近な業界に「これから尻すぼみになっていく商品・サービス」があって、それをリスクなく扱える人です。

いちばん相性がいいのは、印刷加工ブローカーさんのように「買取」や「仲介」といった、在庫も仕入れも抱えずに扱える形です。自分でモノを作ったり仕入れたりすると、需要が尽きたときに在庫リスクを負ってしまいます。でも受注を右から左に流すだけなら、リスクはほぼありません。次のような条件に当てはまる方は、ぜひ検討する価値があります。

  • 会社を大きくするより、自分ひとりが食べていければいいと考えている
  • 本業や年金にプラスする副業として、少しの収入を安定的に得たい
  • 身近に、縮小しているけれど需要がゼロではない業界の知識・人脈がある
  • その商材を買取・仲介などリスクなしで扱える(在庫・仕入れ不要)
  • 広告費をかけずに、じっくりSEOで集客していきたい

もし読者のあなたの近くに、これから細っていく衰退商材があって、それをリスクなしに扱える立場にいるなら――正直、やらない手はないと思うんですよね。みんなが「もう終わった市場だ」と言って離れていくからこそ、残った少ない需要を、ほとんど競争せずに独り占めできる。これって、実はかなり贅沢なポジションなんです。

よくある質問(FAQ)

衰退期・斜陽産業を狙うWeb集客について、相談の場でよくいただく質問をまとめておきますね。

Q衰退している業界に今から入って、本当に大丈夫ですか?

A

「大きく稼ぐ」目的なら向きませんが、「一人分の収入」なら十分成立します。需要はゼロにはならず、競合も弱いので、少ない需要を低コストで独占しやすいんです。ただし在庫を抱えず、買取・仲介などリスクの小さい形で扱うのが前提になります。

Q本当に広告費をかけずに集客できるんですか?

A

成長期の市場より圧倒的に安く済むのは確かです。競合が少ないぶんリスティング単価も安く、SEOも弱い相手が中心なので上位化しやすい。ほとんどサーバー代と多少のSEO対策だけで問い合わせが取れるケースもあります。ゼロ円とまでは言い切れませんが、成熟期に比べれば桁違いに軽いです。

Q成長期を狙うのは間違いなんですか?

A

いいえ、間違いではありません。会社を大きくしたいなら成長期を狙うのは正解です。ただし成熟期・飽和期に入ると広告費が高騰し、大手が参入してレッドオーシャン化するリスクがある、という点は覚悟しておく必要があります。目的次第で正解が変わるということです。

Q衰退期の商材はいずれ需要が尽きませんか?

A

商材によってはその可能性もあります。だからこそ、在庫や設備を抱え込まず、受注を流すだけの仲介型など「撤退が簡単な形」で始めるのがおすすめです。需要が細ってきたら、負担なく別の衰退商材に乗り換えられる身軽さが強みになります。

まとめ|狙う市場は「目的」で決める

Web集客のコストと競合の激しさは、あなたの努力より先に「その市場がライフサイクルのどこにいるか」でだいたい決まってしまいます。だからこそ、やり方を磨く前に、狙う市場を選び直すことがいちばん効くんですよね。

この記事の要点を、最後に4つに絞ってお伝えします。

  • 多くの会社が狙う成長期は、やがて成熟期・飽和期で広告費が高騰しレッドオーシャン化する
  • 飽和期には大手資本が一気に参入し、中小・零細は消耗して淘汰されやすい
  • 「一人で食べていければいい/副業」なら、大手が来ない衰退期こそ低コストの穴場になる
  • 買取・仲介などリスクなしで衰退商材を扱えるなら、少ない需要をほぼ独占できる
斜陽産業・衰退期を狙う低コストWeb集客戦略のまとめ

「みんなが狙う成長市場で消耗するか」「みんなが見捨てた衰退市場を独り占めするか」。どちらが正解かは、あなたが何を目指すか次第です。もし低コスト・低リスクで自分の食いぶちを作りたいなら、身近な斜陽産業に一度目を向けてみてください。そこには、競争のいらない静かなブルーオーシャンが広がっているかもしれませんよ。

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