広島には、ホームページ制作費に使える「Webマーケティング」の助成金があります

広島県内で事業を営む経営者の方から、こんな声をよく耳にします。

  • ホームページを新しく作りたい・リニューアルしたいが、制作費が高くて踏み出せない
  • 広島にホームページ制作で使える補助金・助成金があると聞いたが、自社が対象なのか分からない
  • 申請すればすぐもらえるのか、何から始めればいいのか見当がつかない

——そんな悩みを抱える広島の中小企業・個人事業主の方に知っておいてほしいのが、公益財団法人ひろしま産業振興機構(産振構)が実施する「Webマーケティング環境整備支援事業」です。専門家による伴走支援を受けながら、ホームページの改修・全面リニューアル・新規制作などに取り組むと、その費用の一部に助成率2/3以内・上限80万円の助成金が交付されます。

最初に知っておいてほしいこと

この助成金は、他の補助金と大きく異なる特徴が2つあります。ひとつは専門家による「伴走支援」を受けることが助成金申請の必須条件であること(いきなり申請はできません)。もうひとつは、助成対象事業を原則として産振構に登録された「Webマーケティング支援パートナー」(Web制作会社等)への委託で実施することです。この仕組みを知らずに動くと、せっかくの助成を受けられないことがあります。

この記事でわかること

  • 広島「Webマーケティング環境整備支援事業」の制度概要と助成率2/3・上限80万円の意味
  • 他の補助金と違う「伴走支援が必須」「登録パートナーへの委託」という2つの仕組み
  • 伴走支援の申込から助成金受領までの全体フロー
  • 募集対象者の要件・助成対象になる経費とならない経費
  • 制作費別に見た助成額・自己負担のシミュレーション
  • よくある失敗・注意パターンと、月額無料の格安ホームページ制作で自己負担を圧縮する考え方

筆者は広島をはじめとする地方の中小企業・個人事業主のホームページ制作を10年以上支援してきたWebコンサルタントです。助成金を意識したホームページ制作の現場から、「制度の正しい理解」と「損をしないための動き方」をお伝えします。

広島のWebマーケティング環境整備支援事業とは

専門家の伴走支援のもと、Webを活用した販路開拓の取組を費用面から後押しする助成事業です。物価高騰等が企業経営に影響を与えるなか、広島県内の中小企業者等が、ホームページ・Webサイトの改修やデジタルコンテンツの導入といったWebマーケティングの手法で、ターゲット顧客へ戦略的にアプローチする継続的な取組を支援するものです。

この事業は産振構が特定非営利活動法人ITコーディネータ広島(ITC広島)に委託して実施します。ITC広島が事務局となり、専門家であるITコーディネータが伴走支援を行いながら、助成金の事務局業務も担います。国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用した事業です。

助成率・助成金額

助成の条件は、募集要項で次のように定められています。金額は税抜き(消費税および地方消費税相当額を除いた額)で計算されます。

  1. 助成率:助成対象経費の3分の2以内
  2. 助成金額:80万円を限度(税抜き・千円未満切捨て)

助成率2/3ということは、たとえば助成対象経費が90万円なら60万円が助成され、自己負担は30万円に圧縮できる計算です。上限の80万円に達するのは、助成対象経費が120万円のときです。単なる「作って終わり」のサイトではなく、Webで売上につなげる取組にしっかり投資したい事業者に向いた設計といえます。

他の補助金と何が違うのか

広島でホームページ制作に使える制度としては、小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金なども知られています。しかしこのWebマーケティング環境整備支援事業には、他制度にない2つの大きな特徴があります。

この事業だけの2つの特徴

  • 伴走支援が必須:助成金の申請には、専門家(ITコーディネータ)による伴走支援の利用が前提条件。いきなり交付申請だけを行うことはできません。
  • 登録パートナーへの委託が原則:助成対象事業は、原則として産振構に登録された「Webマーケティング支援パートナー(HP・Webサイト制作業者等)」への委託によって実施します。

この2点を知らずに「先に自分で制作会社に発注してから申請しよう」と動いてしまうと、要件を満たせず助成の対象外になりかねません。まずは伴走支援に申し込み、専門家と一緒に計画を練るところから始めるのが正しい入口です。

Webマーケティング環境整備支援事業の申請から助成金受領までの全体フロー図解(伴走支援→助成事業の2段階)

申請から助成金受領までの全体フロー

この事業は「伴走支援」と「助成事業の実施」という2段階で進みます。助成金だけを単独で申請するのではなく、まず専門家と計画をつくり、その計画に沿って助成事業を実施する流れです。全体像を時系列で整理します。

STEP 1 伴走支援に申し込む

事業ホームページの「伴走支援活用申込フォーム」から申し込みます。ここが事業のスタート地点です。申込は伴走支援活用申込フォームから行います。

STEP 2 専門家とWebマーケティング計画を策定

専門家(ITコーディネータ)が1回以上企業を訪問し、視察・ヒアリングを実施。専用のビジネスモデルキャンバス等を用いて、ホームページ改修等によるWebマーケティングの事業計画づくりを支援します。適宜、Webサイトのモックアップ等も作成しながら計画の方向性を整理します。

STEP 3 見積依頼と交付申請

事務局が申請内容を確認し、Webマーケティング支援パートナーへ見積書等を依頼。「助成金交付申請書」を産振構へ提出します。産振構の審査を経て交付が決定すると、「交付決定通知書」が届きます。

STEP 4 計画の実行(経費の発生・支払い)

交付決定後に、Webマーケティング計画を実行します。ホームページの改修・制作などを進め、経費の発生と支払いを完了させます。交付決定より前に発注・契約・支払いをしないことが鉄則です。

STEP 5 実績報告と助成金の受領

「実績報告書」を提出し、事務局・産振構による完了検査を受けます。その後「交付額確定通知書」を受領し、「請求書」を提出すると、指定口座へ助成金が振り込まれます。

交付決定前の着手は原則NG

交付決定日より前に発注・契約・購入・支払(前払を含む)したものは、助成対象外となります。「先にホームページ制作を発注しておいて、後から申請すればよい」という進め方は、助成金を受け取れなくなるリスクがあります。なお見積書の取得は交付決定日以前でも可能です。着手のタイミングを間違えないようにしましょう。

対象になるのはどんな事業者?募集対象者の要件

広島県内に本社を有する中小企業者等であることが大前提です。募集要項では、次のすべてを満たす事業者が対象とされています。まずは自社が該当するかを確認しましょう。

中小企業者等の規模は、中小企業基本法上の基準(資本金・従業員数のいずれか)で判定されます。主な業種の目安は次のとおりです。

業種資本金従業員数
製造業等3億円以下または300人以下
卸売業1億円以下または100人以下
サービス業(ソフトウェア・旅館業除く)5,000万円以下または100人以下
小売業5,000万円以下または50人以下

対象となりうるのは、会社(株式会社・合名・合資・合同・特例有限会社)、協同組合等の中小企業組合(商店街振興組合を除く)、個人事業者、一定要件を満たすNPO法人などです。従業員を雇用していない法人・個人事業者も対象になります。主な要件をまとめると次のとおりです。

  • 広島県内で事業を営んでいること
  • 県税を未納していないこと
  • パートナーシップ構築宣言企業であること(所定の期日までに登録企業リストに掲載)
  • 反社会的勢力に該当せず、公序良俗に反する事業を行っていないこと
  • みなし大企業に該当しないこと
  • 令和8年(2026年)4月1日時点で1期以上の事業実績があること

対象とならない事業者に注意

医師・歯科医師・助産師、系統出荷のみの農業者、一般社団・公益社団法人、一般財団・公益財団法人、医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人、商店街振興組合、任意団体などは対象外とされています。自社の法人形態が該当しないか、事前に確認しておきましょう。

まず「自社が対象か」を確認

要件は複数あり、パートナーシップ構築宣言のように事前準備が必要なものもあります。自己判断で進める前に、伴走支援の申込・相談の段階で、自社が対象になるか・何を準備すべきかを整理しておくと安心です。

助成対象になる経費・ならない経費

助成対象経費は、原則として登録された「Webマーケティング支援パートナー」への委託により実施した費用です。ホームページ制作に関わるのは、主に「Webサイト改修等費」や「コンテンツ制作費」です。区分ごとに整理します。

区分主な内容
市場調査費外部委託による市場・顧客調査、販路・訴求方針調査など
Webサイト改修等費LP制作、既存サイトの改修・機能改善、全面リニューアル、新規サイト制作、SEO内部対策・表示改善(SEO外部対策は対象外
コンテンツ制作費訴求コンテンツ制作、写真・動画等の素材制作、商品・サービスデータ整備など
データ計測構築費効果測定・改善環境の整備、成果計測の設定など
広告宣伝費認知・獲得広告など(助成対象経費総額の10%以内・掲載は実施期間中の3か月以内
自走化・内製化支援費運用支援・内製化支援、運用マニュアル整備など

ホームページの新規制作・改修・全面リニューアルは「Webサイト改修等費」に該当します。ここが本事業を使ってホームページ制作を進める際の中心になる経費区分です。

助成対象外になる経費

経常的な運営費用(サーバー利用料・ドメイン維持管理料・Webサイトの月額保守費用など)、EC関連の運用・変動費用、PC・タブレット・カメラ等の汎用機器、役員報酬・直接人件費、各種手数料・公租公課などは対象外です。「作った後にかかり続ける費用」は基本的に助成の対象にならない、と覚えておきましょう。

補助金活用の相談事例|広島市内の小売業のケース

先日、広島市内で小売業を営む経営者の方から、こんな相談を受けました。

「古くなった自社サイトを全面リニューアルして、ネットからの問い合わせを増やしたいんです。広島にWebの助成金があると聞いたのですが、うちみたいな小さな会社でも使えますか? もう作りたいデザインは決まっているので、すぐ制作会社に発注してしまってよいでしょうか?」

私はまず、「すぐの発注は待ってください」とお伝えしました。この事業は、いきなり助成金を申請できる制度ではなく、専門家の伴走支援を受けて計画をつくることが前提だからです。先に発注してしまうと、交付決定前の着手として対象外になるおそれもあります。

そこで、まずは伴走支援に申し込み、ITコーディネータと一緒にビジネスモデルキャンバス等を使って「誰に・何を・どう届けるか」を整理することを提案しました。そのうえで、リニューアルの要件を固め、登録パートナーへの委託という形で助成事業を進める段取りを一緒に確認しました。

この事例の教訓

「デザインが決まっているからすぐ発注」ではなく、まず伴走支援から入り、計画を整えてから交付決定を経て着手する。この順番を守ることが、助成金を活かす最大のコツです。焦って発注しないこと、が出発点になります。

実際いくら助成される?制作費別シミュレーション

「助成率2/3・上限80万円」と言われても、自社の場合にいくら戻るのかはイメージしづらいものです。助成対象経費(ここではホームページ改修・制作などの委託費が対象になった場合を仮定・税抜)の規模別に、助成額と自己負担を整理しました。

助成対象経費(税抜)助成額(2/3)自己負担額
30万円20万円10万円
60万円40万円20万円
90万円60万円30万円
120万円80万円(上限ちょうど)40万円
150万円80万円(上限)70万円

上限80万円の「効きどころ」

助成額の上限は80万円で、これに達するのは助成対象経費が120万円のときです。120万円を超える分は助成されず自己負担になるため、対象経費が大きくなるほど自己負担の絶対額も増えていきます。つまり、制作費そのものを抑えられれば抑えられるほど、手元に残る負担は小さくなります。

よくある失敗・注意パターン

助成金を活用したホームページ制作で、実際に起こりがちな「もったいない失敗」を整理します。どれも事前に知っていれば回避できるものです。

失敗① 伴走支援を飛ばして、いきなり発注・申請しようとした

この事業は伴走支援の利用が助成金申請の必須条件です。専門家との計画策定を経ずに、いきなり制作会社へ発注したり交付申請だけを行おうとしても、要件を満たせません。まずは伴走支援への申込から始めましょう。

失敗② 交付決定前に発注・契約・支払いをしてしまった

交付決定日より前に発注・契約・購入・支払(前払を含む)した費用は対象外です。「早く進めたい」と先走って発注すると、その費用は助成されません。見積取得は決定日以前でも可能なので、契約・発注は交付決定を待ちましょう。

失敗③ 募集の締切を意識せず、動き出しが遅れた

伴走支援活用の申込は令和8年(2026年)6月24日から開始しています。募集期間の終了は申込件数(100件程度)や予算執行の見込みを勘案して別途定められるため、先着的な性質があります。また助成事業の実施期間は交付決定日から令和9年(2027年)1月15日までで、予算がなくなり次第終了です。早めの申込・逆算したスケジュールが重要です。

これらを踏まえた回避アクションをまとめると、次のとおりです。

  • まず伴走支援活用申込フォームから申し込む(発注・申請より先)
  • 契約・発注は交付決定を待ってから行う(見積取得は事前でも可)
  • 実施期間(2027年1月15日まで)から逆算して制作・支払い・報告のスケジュールを組む
  • パートナーシップ構築宣言など事前準備が必要な要件を早めに確認する

月額無料の格安ホームページ制作で自己負担を圧縮

助成で戻るのは対象経費の2/3、上限80万円。残りの自己負担をどう抑えるかも重要です。同じ助成率でも、制作費そのものを抑えられれば、手元に残る負担額は小さくなります。

格安HP制作+助成金

  • 初期の制作費を抑えられ、自己負担も小さい
  • 月額維持費が無料ならランニングコストが軽い(保守費は助成対象外なので特に効く)
  • 浮いた予算をコンテンツ制作や広告に回せる

高額HP制作+助成金

  • 助成額は上限80万円で頭打ち、自己負担の絶対額が大きい
  • 月額保守費が高いと、対象外の維持費が公開後もかかり続ける
  • 上限を超えた分は全額自己負担

特にこの事業では、サーバー利用料・ドメイン維持費・月額保守費が助成対象外です。だからこそ、公開後にかかり続ける固定費が軽い制作会社を選ぶことが、トータルの負担を大きく左右します。

広島でのホームページ制作・助成金活用の相談ができます

Webマーケティング環境整備支援事業は、伴走支援の申込・計画づくり・見積書の用意・スケジュールの逆算など、初めての方には少し複雑に感じられることもあります。

ホームページ制作会社 ゼロラン では、月額維持費用無料WordPress対応オリジナルデザインのホームページ制作を98,000円〜の格安価格でご提供しています。

助成金を意識したホームページ制作にも対応しており、申請に必要となる見積書の作成・提示にも対応可能です。どんなホームページにすべきかという制作会社選びや事業計画づくりの相談も承っています。

広島でホームページの制作・改修・全面リニューアルを検討している中小企業・個人事業主の方は、まずはお気軽にご相談ください。

\ 助成金を意識したホームページ制作を相談する /

よくある質問

Qいきなり助成金を申請することはできますか?

A

できません。この事業は、専門家(ITコーディネータ)による伴走支援の利用が助成金申請の必須条件です。まずは事業ホームページの伴走支援活用申込フォームから申し込み、計画を策定してから交付申請へ進みます。

Qどの制作会社に頼めばよいですか?

A

助成対象事業は、原則として産振構に登録された「Webマーケティング支援パートナー」への委託によって実施します。まずは伴走支援のなかで、自社の計画に合った委託先の考え方を整理するとよいでしょう。制作会社選びや事業計画づくりの相談は当社でも承っています。

Q自己負担はどれくらい残りますか?

A

助成率は対象経費の2/3で、助成額の上限は80万円(税抜)です。対象経費が120万円までは自己負担が1/3で済みますが、120万円を超えた分は自己負担になります。制作費を抑えられる制作会社を選ぶことも、自己負担の圧縮につながります。

Qまずどこに相談すればよいですか?

A

制度の詳細・申込は、事業ホームページ(wm-hiro.jp)やお問い合わせフォームへ。ホームページの内容・見積もりについては、助成金を意識した制作に対応する制作会社に相談すると、制度確認と並行して準備を進められます。

まとめ:広島の助成金でホームページ制作を前進させる

広島の「Webマーケティング環境整備支援事業」は、専門家の伴走支援のもとでWeb活用に取り組む中小企業を、助成率2/3・上限80万円で後押しする制度です。ホームページの改修・全面リニューアル・新規制作は「Webサイト改修等費」として対象になり得ます。ただし、伴走支援が必須であること、登録パートナーへの委託が原則であること、交付決定前の着手は対象外であること——この3点を押さえて動くことが何より大切です。

広島ホームページ制作補助金・3つの重要ポイント

  • 助成率は対象経費の2/3・上限80万円(税抜)。対象経費120万円で上限に到達
  • 他の補助金と違い、伴走支援の利用が申請の必須条件。まず申込から始める
  • 実施期間は2027年1月15日まで・予算がなくなり次第終了。交付決定前の着手は避ける
まとめ