「鎌倉でお店や事業を続けているけれど、ホームページの制作費が気になって踏み出せない」——鎌倉市内の事業者の方から、よくこうしたご相談をいただきます。観光客も地元客も“まずスマホで検索する”時代に、ホームページがないのは大きな機会損失です。
実は鎌倉市には、ホームページ制作費の一部を市が補助してくれる制度があります。しかも新規制作だけでなく、古くなったサイトのリニューアルも対象になり得ます。「補助があるなら使わない理由がない」——そう思っていただけるよう、制度の中身を実務目線で噛み砕いて解説します。
この記事でわかること
- 鎌倉市のホームページ制作補助金の概要(補助率・上限・申請期間)
- HP制作で使える2つのコースと選び方
- 自分が対象者かどうかのチェックポイント
- 新規制作とリニューアル、どちらも対象になる理由
- 申請から補助金受取までの流れと必要書類
- 見落としがちな対象外経費と、自己負担の実額シミュレーション
筆者は格安ホームページ制作の現場で、鎌倉市をはじめ神奈川県内の中小・小規模事業者のサイト制作と補助金申請のサポートを行ってきました。鎌倉市の公式情報(中小企業経営基盤強化事業費補助金)をもとに、申請の実務で本当に役立つポイントだけをお届けします。
鎌倉市のホームページ制作補助金とは?2026年度の基本情報
鎌倉市でHP制作費に使える補助金の正式名称は「鎌倉市中小企業経営基盤強化事業費補助金」です。
これは、鎌倉市内で事業を営む中小企業・小規模事業者が経営基盤を強化する取り組みを行う際、その経費の一部を市が補助する制度です。令和5年度から補助対象に「デジタル化推進事業」と「広報・マーケティング事業」が加わり、ホームページ制作に関連する費用も対象に含まれるようになりました。
2026年度の基本情報
- 制度名:鎌倉市中小企業経営基盤強化事業費補助金
- 申請期間:2026年4月1日〜2027年2月26日(予算上限に達し次第終了)
- 対象:鎌倉市内に事業所を持つ中小企業・小規模事業者・個人事業主
- 申請方法:市の申請フォームから(利用者登録は不要)
複数の補助メニューがまとめて1つの制度になっているのが特徴で、ホームページ制作は主に「広報・マーケティング事業」と「デジタル化推進事業」の2つに該当します。どちらを使うかで、補助の考え方や準備が少し変わります。次の章で詳しく見ていきましょう。
最新の補助率・上限額・募集状況は、必ず鎌倉市の公式ページで確認してください。鎌倉市中小企業経営基盤強化事業費補助金のご案内(鎌倉市公式)
HP制作で使える2つのコースと補助額
ホームページ制作は「広報・マーケティング事業」か「デジタル化推進事業」のどちらかで申請します。
どちらも経営基盤強化事業費補助金の中のメニューですが、目的と進め方が異なります。自社の作りたいサイトがどちらに当てはまるかを、まず整理しておきましょう。
広報・マーケティング事業(売上拡大を狙うHP)
集客や販路拡大を目的に、戦略的に売上の増加を図る取り組みを支援するメニューです。ホームページ制作のほか、Web広告やマーケティング調査なども対象になります。「お店や商品を多くの人に知ってもらうためのサイト」を作りたい事業者は、こちらが基本の選択肢です。
デジタル化推進事業(業務効率化・DXを伴うHP)
生産性向上のためのDX・デジタル化にかかる費用を補助するメニューです。予約システムやECなど業務機能を組み込んだサイトが想定されます。ただし中小企業デジタル化相談を受けることが前提で、年度や予算の状況によっては新規受付が終了している場合があります。
| 比較項目 | 広報・マーケティング事業 | デジタル化推進事業 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 集客・販路拡大・広報 | 業務効率化・DX |
| HPの例 | 店舗・サービス紹介サイト | 予約・EC・業務システム連携 |
| 事前相談 | 原則不要 | デジタル化相談が前提 |
| 向いている人 | まず認知と問い合わせを増やしたい | 受発注や予約をデジタル化したい |
注意点
補助率や上限額、各コースの募集状況は年度ごとに変わります。とくにデジタル化推進事業は事前相談が必須で、予算上限に達すると受付終了になります。申請前に必ず公式ページと商業振興課で最新情報を確認してください。
あなたは対象?対象者チェックリスト
「うちみたいな小さな店でも対象になるの?」という不安は、実はほとんどの場合“対象になります”。
鎌倉市の経営基盤強化事業費補助金は、特定の業種に限定された制度ではありません。飲食店・小売店・美容室・士業・サービス業など、幅広い業種の小規模事業者が活用できます。まずは次の項目を確認してみてください。
- 鎌倉市内に事業所(店舗・オフィス)がある
- 中小企業基本法上の中小企業者・小規模事業者にあたる(個人事業主を含む)
- 市税を滞納していない
- 補助対象となる経費が鎌倉市内の事業所にかかるものである
- 集客・販路拡大など経営につながる目的でホームページを作る
ポイント
とくに重要なのが「市内事業所にかかる経費であること」です。本社や店舗が鎌倉市内にあることが前提で、市外の拠点向けの費用は対象になりません。逆に言えば、鎌倉で商売をしている事業者にとっては使いやすい制度です。
新規もリニューアルも対象になる
「もう古いサイトがあるからリニューアルは対象外では?」——そんなことはありません。
多くの方が「補助金=新規開設だけ」と思い込んでいますが、鎌倉市の補助金は販路開拓や売上拡大につながる取り組みであるかどうかを重視します。つまり、目的が経営強化に紐づいていれば、新規制作でも既存サイトのリニューアルでも対象になり得るのです。
新規制作で使う場合
- これまでHPがなく、検索しても出てこない
- SNSだけで情報発信していた
- 名刺やチラシしか接点がなかった
リニューアルで使う場合
- スマホ対応していない古いサイト
- 更新が止まり情報が古い
- 予約・問い合わせ導線が弱い
「10年前に作ったサイトがスマホで崩れて見える。直したいけど、新規じゃないから補助は無理ですよね?」とよく聞かれます。実際にはリニューアルでも、集客改善という目的を申請書で示せれば対象として進められたケースは少なくありません。
大切なのは「なぜ作る/直すのか」を経営の言葉で説明できることです。「問い合わせを増やしたい」「予約を取りやすくしたい」といった販路開拓の目的をはっきりさせておけば、新規でもリニューアルでも申請の土台ができます。
体験談:鎌倉市内の事業者の相談事例
制度の話だけではイメージしづらいので、実際の相談に近いケースを紹介します。
先日、鎌倉市内で飲食店を営む個人事業主の方から、こんなご相談をいただきました。観光客向けに料理写真やアクセス、予約導線を載せたサイトを作りたいが、制作費が30万円ほどかかると言われ、二の足を踏んでいるという内容でした。
「正直、30万円は痛い出費です。補助があると聞いたけど、申請が難しそうだし、本当に通るのか不安で…。うちみたいな個人店でも使えるんでしょうか?」
そこで「広報・マーケティング事業」での申請を前提に、サイトの目的を“観光客と地元客の集客(販路開拓)”として整理し直しました。制作内容も、写真撮影・スマホ最適化・予約フォーム設置と、集客効果が説明しやすい構成に組み替えました。
結果として、補助率2分の1で計算すると自己負担はおよそ半額の15万円程度まで圧縮できる見込みとなり、「それなら踏み出せる」と制作に着手されました。公開後は地図検索からの来店が増え、予約の電話も日中に集中しなくなったと喜んでいただけました。
この事例の教訓
補助金は「制度に自分を合わせる」ものではなく、「自社の目的を制度の言葉に翻訳する」もの。集客・販路拡大という目的さえ明確なら、小さな個人店でも十分に活用できます。
申請から補助金受取までの流れ
申請は「作ってから請求する」のではなく、「交付決定を受けてから発注する」のが大原則です。
ここを間違えると、せっかくの経費が補助対象外になってしまいます。大まかな流れを6ステップで押さえておきましょう。
公式ページで最新の要件を確認。デジタル化推進事業を使う場合はデジタル化相談を受ける。どのコースで申請するかを決める。
制作会社からホームページの見積を取り、「何のために作るのか(集客・販路開拓)」を事業計画として整理する。
市の申請フォームから必要事項と書類を提出する。交付決定までは1カ月以上かかる場合があるため余裕を持って申請する。
郵送などで交付決定通知が届いてから制作を発注・開始する。決定前に発注した費用は対象外になりやすいので注意。
制作費を全額支払い、領収書や成果物がわかる資料をそろえて実績報告を提出する。
報告内容の確認後、補助金額が確定し指定口座へ振り込まれる。ここで初めて手元に補助金が戻ってくる。
注意点
この補助金は後払い(精算払い)方式です。まず自社で制作費を全額支払い、実績報告のあとで補助分が振り込まれます。発注前に一時的な資金繰りを確保しておきましょう。
対象外経費と注意点(失敗パターン)
「制作費なら全部対象」と思い込むと、申請後に“それは対象外です”と言われて落胆することになります。
ホームページ関連でよく対象外になる経費と、申請でつまずきやすいポイントを整理しておきます。
- サーバー・ドメインなどの継続的なランニング費用
- 公開後の保守・更新費・月額サポート費
- 交付決定前に発注・支払いを済ませた費用
- 鎌倉市外の事業所にかかる経費
- 集客・販路開拓の目的が説明できない、単なる作り替え
ポイント
多くの補助金は「初期の制作費」は対象だが「継続費用」は対象外という線引きです。だからこそ、サーバー代や保守費がかさむ高額な月額契約より、ランニングを抑えた制作プランを選ぶほうが、補助金との相性が良くなります。
もう一つの落とし穴が「申請前に作り始めてしまう」こと。良かれと思って早く動いた結果、交付決定前の費用とみなされて対象外になる——これは現場で本当によく起きる失敗です。順番を守ることが、もっとも確実な節約になります。
自己負担はいくら?シミュレーション
補助率を2分の1と仮定すると、自己負担は制作費のおよそ半分まで圧縮できます。
あくまで補助率1/2・上限額の範囲内という仮定での目安ですが、数字にすると「使わない理由がない」ことが実感できます。
| 制作費(税抜) | 補助額(1/2想定) | 実質自己負担 |
|---|---|---|
| 10万円 | 5万円 | 5万円 |
| 20万円 | 10万円 | 10万円 |
| 30万円 | 上限の範囲で補助 | 制作費−補助額 |
上限額を超える分は自己負担になりますが、それでも数万円〜十数万円の負担軽減は小規模事業者にとって大きな差です。補助率・上限の正確な数字は年度ごとに変わるため、必ず公式情報で確認してください。
よくある質問(FAQ)
鎌倉市の事業者からよくいただく質問をまとめました。
Q個人事業主でも申請できますか?
はい。鎌倉市内に事業所があり、中小企業者・小規模事業者の要件を満たせば個人事業主も対象です。飲食・小売・サービス業など業種も幅広く使えます。
Q制作会社に依頼した費用でも補助されますか?
対象になります。むしろ見積書・契約書・領収書など、実績報告に必要な書類をそろえやすいため、専門の制作会社に依頼するほうが申請はスムーズです。
Q申請すれば必ず補助を受けられますか?
予算には上限があり、要件を満たさない場合や予算到達後は受けられないこともあります。早めの申請と、目的を明確にした事業計画づくりが採択のカギです。
まとめ:補助を待たず、今日からホームページを始める
鎌倉市の中小企業経営基盤強化事業費補助金は、新規制作もリニューアルも対象になり得る、使いやすい制度です。ポイントを整理します。
鎌倉市でホームページ制作費を抑えるなら、次の3点を押さえましょう。
- HP制作は「広報・マーケティング事業」か「デジタル化推進事業」で申請でき、新規もリニューアルも対象になり得る
- 市内事業所の経費が対象で、サーバー・保守などの継続費用は対象外。交付決定前の発注はNG
- 後払い方式のため資金繰りを確保しつつ、補助率1/2想定で自己負担はおよそ半額まで圧縮できる
とはいえ、補助金は交付決定まで時間がかかり、入金は公開後です。「補助を待つあいだに機会を逃したくない」という方は、ランニングを抑えた月額制の格安ホームページでまず公開し、集客を始めてしまうのも賢い選択です。初期費用を抑えた制作なら、後から補助対象事業として申請にも乗せやすくなります。鎌倉でホームページ制作・リニューアルをお考えなら、まずはお気軽にご相談ください。