ホームページ公開後の費用を確認する経営者

「毎月3万円の"管理費"を払っているのですが、これって何の費用なんでしょうか?」

ホームページ制作の相談を受けていると、こういう質問が定期的に届きます。制作会社から請求される費用の名称は「管理費」「保守費」「維持費」「運用費」と会社によってバラバラで、同じ内容でも名前が違うことがよくあります。だから経営者は混乱する。

「何を払っているかわからない」は、費用の中身が見えていないのではなく、言葉の定義が混乱していることが原因であるケースがほとんどです。

この記事でわかること

  • 「維持費・管理費・保守費・更新費・修正費」5つの費用の違いと定義
  • 公開後にかかる費用の月額相場一覧(固定費と変動費を分けて整理)
  • 削減してよい費用と削減してはいけない費用の判断基準
  • CMSで自社更新すれば更新費・修正費を大幅削減できる仕組み

私はホームページ制作を10年以上続けており、中小企業の経営者から「費用の内訳がわからない」という相談を数多く受けてきました。言葉の定義を整理するだけで「払いすぎていた」「削減できるものがあった」と気づく経営者が少なくありません。この記事では現場の実例をもとに、できる限り具体的に解説します。

まず「5つの費用の言葉」の定義を整理する

ホームページ公開後にかかる費用は、大きく5種類の言葉で表現されます。問題は、会社によってこれらの言葉を混用したり、独自の定義で使っていたりすること。まず下の表で全体像を把握してください。

費用の名称 何の費用か 発生タイミング 月額目安
①維持費 サーバー・ドメインなど「存在するだけでかかる」固定費 毎月(自動) 600円〜8,000円
②管理費 制作会社が維持費・保守・更新をまとめた請求名称(内容は会社次第) 毎月(契約固定) 5,000円〜3万円
③保守費 セキュリティ・CMS更新・障害対応など「安全を守る」費用 毎月(契約固定) 5,000円〜3万円
④更新費 ブログ記事・お知らせなど新規コンテンツを「増やす」費用 依頼したときのみ 5,000円〜2万円/回
⑤修正費 既存ページのテキスト・画像などを「変える」費用 依頼したときのみ 1,000円〜5,000円/箇所

この表を見るだけで「ああ、そういうことか」と整理できる方も多いはずです。以下では各費用の内容をさらに詳しく説明します。

①維持費──「何もしなくても」毎月かかる固定費

維持費とは、ホームページを公開し続けるためだけにかかる最低限の費用です。コンテンツの更新も保守作業も依頼しなくても、自動的に毎月発生します。

  • レンタルサーバー代:月額500円〜5,000円
  • ドメイン代:年額1,000円〜3,000円(月換算で100〜300円)
  • SSL証明書:無料〜月額3,000円(Let's Encryptで無料運用も可)

合計すると最低でも月額600円〜8,000円程度。制作会社を通じて間接契約している場合は管理手数料が上乗せされ、月額3,000円〜15,000円になることもあります。サーバー・ドメインを自社で直接契約すれば、この費用は大幅に圧縮できます。

②管理費──内容が曖昧な「まとめ請求名」

「管理費」は最も定義が曖昧な言葉です。制作会社によって中身が大きく異なります。

ある会社は「管理費=サーバー代・ドメイン代のみ」と定義し、別の会社は「管理費=維持費+保守費+月1回更新作業」を一括請求した名称として使っている。つまり管理費という言葉自体に標準的な定義はなく、制作会社が複数の費用をまとめて請求するときに使う便宜的な名称に過ぎません。

注意点

「管理費」を請求されている場合は、必ず「何が含まれているか」を書面で確認してください。サーバー代だけなのか、保守作業も含むのか、更新作業は何回まで含まれるのかが不明確なまま払い続けているケースが多く見られます。

③保守費──セキュリティと安定稼動を「守る」費用

保守費とは、ホームページのセキュリティと安定性を維持するための費用です。具体的には以下の作業が含まれます。

1CMSのバージョンアップ(WordPress本体・プラグイン)

WordPressは定期的に脆弱性が発見され、それに対応するアップデートが配信されます。放置すると既知の脆弱性を突いた不正アクセスや改ざん被害につながります。アップデートは動作確認も必要なため、知識なしに行うとサイトが壊れることもある作業です。

2セキュリティ監視・不正アクセス対応

定期的にアクセスログをチェックし、不審なアクセスや改ざんを早期発見します。ハッキング被害が深刻化する前に対処するための監視作業です。

3定期バックアップの取得・管理

サーバー障害や誤操作でデータが消えた場合に備え、定期的にサイトデータをバックアップします。バックアップがなければ、最悪の場合はゼロからの再制作になります。

4表示エラー・不具合対応

プラグインの競合やサーバー障害などで生じた表示崩れ・エラーを発見・修正します。放置すると問い合わせが来なくなる、SEO評価が下がるなどの実害につながります。

保守費の月額相場は5,000円〜3万円。小規模サイト(5〜20ページ程度)であれば月1万円以内でカバーできることがほとんどです。

④更新費──既存サイトに情報を「追加する」費用

更新費とは、サイト構造はそのままに新しい情報を追加するときにかかる費用です。「増やす」作業と覚えておくと区別しやすいです。

  • ブログ記事・お知らせの新規投稿(1本あたり5,000円〜2万円)
  • 新しい事例・実績ページの追加
  • 新商品・新サービス情報の掲載
  • 採用情報の新規追加

WordPressなどのCMSを使っていて、自社で操作できる体制が整っていれば、この費用はゼロになります。

⑤修正費──既存ページを「変える」費用

修正費とは、すでに公開されているページの内容を変えるときにかかる費用です。「変える」作業、つまり現状の情報を上書きするイメージです。

  • テキストの変更(電話番号・住所・営業時間など):1箇所1,000円〜3,000円
  • 画像の差し替え:1箇所2,000円〜5,000円
  • 料金表・スタッフ情報などの更新:内容により1万円〜

頻繁に修正が発生する会社は、月額定額制(2万円〜10万円)を選ぶほうが都度払いより割安になることもあります。

公開後にかかる費用の月額相場一覧(固定費 vs 変動費)

毎月必ずかかる「固定費」と、依頼したときだけかかる「変動費」を分けて把握することが、費用管理の第一歩です。

ホームページ公開後の固定費と変動費の分類図

毎月必ずかかる固定費(何も依頼しなくても発生)

費用の種類 内容 月額目安(自社直接契約) 月額目安(制作会社経由)
サーバー代 レンタルサーバーの利用料 500円〜2,000円 2,000円〜8,000円
ドメイン代 URLアドレスの年間更新料(月割) 100円〜300円 300円〜1,000円
SSL証明書 https化のセキュリティ証明書 0円〜500円 0円〜3,000円
保守費 CMS管理・セキュリティ・バックアップ —(自社対応) 5,000円〜3万円

ポイント

サーバー・ドメインを制作会社経由で契約していると、仲介手数料が上乗せされ費用が2〜5倍になることがあります。自社で直接レンタルサーバー会社(エックスサーバー・さくらインターネット等)と契約すれば、月額1,000円前後に抑えられます。

依頼したときだけかかる変動費

費用の種類 内容 費用目安(都度払い) 費用目安(月額定額)
更新費 ブログ記事・お知らせの新規追加 1本5,000円〜2万円 月1万円〜(記事本数による)
修正費 既存ページのテキスト・画像変更 1箇所1,000円〜5,000円 月2万円〜(修正量による)
SEO・集客運用費 アクセス解析・SEO対策・広告運用 スポット3万円〜 月3万円〜10万円

「この費用、払いすぎていないか?」現場で見てきた実態

言葉の整理ができたところで、実際の現場で起きていることをお伝えします。

ホームページ費用の見直しを相談する経営者

「毎月5万円の"管理費"を払っているのですが、制作会社に連絡しても特に何かしてもらっている感じがなくて…何の費用なのか聞いたら、"サーバー代とか保守費用です"と言われました。5万円は高くないですか?」

東京で飲食チェーンを経営するAさん(40代)からの相談でした。ホームページ公開から3年、毎月5万円を払い続けているが内容に疑問を感じているとのこと。

内容を詳しく聞いたところ、以下のことがわかりました。

  • サーバー代:制作会社経由で月3,000円(直接契約なら1,000円以下)
  • ドメイン代:制作会社経由で月1,000円
  • SSL証明書:月0円(無料のLet's Encryptを使用)
  • 保守費:「月1回バックアップを取る」程度で月5,000円
  • 残りの約4万円:「管理手数料」として計上

これは極端な例ですが、「管理費」という名称でまとめて請求されていて中身が不透明な契約は、決して珍しくありません。私がこれまで相談を受けた経営者の約半数は、支払っている費用の内訳を正確に把握していませんでした。

この事例から学べること

毎月の費用に疑問を感じたら、「内訳を書面で見せてください」と制作会社に依頼することをためらわないでください。良心的な制作会社であれば、必ず内訳を説明してくれます。説明を拒否したり曖昧な回答しか返ってこない場合は、乗り換えを検討する判断材料になります。

削減できる費用と削減してはいけない費用

費用の見直しを考えるときに重要なのは、削減できるものとそうでないものを正確に区別することです。間違ったところを削ると、後でより大きなコストが発生します。

削減してよい費用

  • サーバー代(制作会社経由 → 直接契約で月1,000円以下も可)
  • ドメイン代の手数料(自社直接管理に切り替える)
  • 更新費(CMSで自社更新できるようにする)
  • 修正費(操作権限をもらい、簡単な修正は自社で行う)

削減してはいけない費用

  • SSL証明書(なければ「保護されていないサイト」警告が出る)
  • CMSのバージョンアップ管理(放置でハッキングリスクが急増)
  • バックアップ(消えたときに復旧できなくなる)
  • セキュリティ監視(被害が大きくなってから対処すると修復費が高額)

削減してよい費用:サーバー代の仲介手数料

もっとも削減効果が大きいのが、サーバー・ドメインの直接契約への切り替えです。エックスサーバーであれば月990円〜、さくらインターネットなら月425円〜で十分に運用できます。制作会社を経由すると、これに管理手数料が上乗せされ3,000円〜1万円になることがあります。

ただし、切り替え作業には専門知識が必要な場合があります。「切り替えたら何かあったときに対応してもらえなくなる」という不安がある場合は、保守費のみを別途契約する形に変えるのが現実的です。

削減してはいけない費用:セキュリティ・バックアップ

保守費をゼロにしてWordPressの管理を放置したケースでは、脆弱性を突いた改ざん被害が起きることがあります。被害が深刻化した後の復旧費は、数年分の保守費を超えることもある。削れるように見えても、実は最も削ってはいけないコストです。

注意点

WordPressを「放置」したサイトは、スパムメールの踏み台として悪用されたり、サイト全体が偽サイトに書き換えられるケースが実際に報告されています。保守費用は「何もしていないのにお金がかかる費用」ではなく、被害を未然に防ぐための投資です。

CMSで自社更新できれば更新費・修正費をゼロに近づけられる

「削減してよい費用」の中で、特に大きな効果があるのが更新費・修正費の削減です。これはCMSの活用で実現できます。

WordPressで自社更新している担当者

WordPressなら更新・修正を自社で完結できる

WordPressはブログ感覚でテキスト・画像を編集できるCMSです。プログラミングの知識は不要で、Wordでの文書作成程度のスキルがあれば操作できます。お知らせの追加・スタッフ紹介の更新・営業時間の変更といった修正を、制作会社に依頼することなく自社で完了できるようになります。

年間10回修正を依頼していたとして、1回平均3,000円とすれば年間3万円のコスト削減になります。更新費も同様に、月1本のブログ記事を自社で書けば月額1万円以上の節約につながります。

外注との分業でコストを最適化する

「全部自社でやる」「全部外注する」の二択ではなく、「自社でできる作業」と「プロに任せるべき作業」を分業するのが最もコスト効率の良い運用方法です。

STEP 1 自社でできる作業を洗い出す

テキスト変更・画像差し替え・ブログ投稿などCMSで完結できる作業をリストアップする。WordPressの操作権限を持っている場合は、すぐに自社対応に切り替えられます。

STEP 2 外注すべき作業を決める

デザイン変更・新規ページのHTML/CSS追加・プラグイン設定などの専門技術が必要な作業は外注に残す。これらは都度スポット依頼でも十分なことが多いです。

STEP 3 保守費のみ月額契約で継続する

セキュリティ・バックアップ・CMSバージョン管理は引き続きプロに任せる。小規模サイトなら月5,000円〜1万円のプランで対応できる場合がほとんどです。

この分業スキームを導入した会社では、月額3万円だった管理費を「保守費1万円+スポット修正(年数回)」に変えることで、年間30万円以上の削減に成功したケースがあります。

よくある質問

Q保守費は毎月払わなければいけないか?

A

法的な義務はありませんが、WordPressを使っている場合はCMSのバージョンアップ・セキュリティ管理を放置するとハッキングリスクが高まります。最低限のバージョン管理は月5,000円以内のプランで対応できるため、セキュリティだけは維持することをおすすめします。HTMLのみの静的サイトで更新も発生しない場合は、保守費なしでも問題は少ないです。

Q月額管理費の適正相場はいくらか?

A

小規模サイト(5〜20ページ程度)でサーバー・ドメイン・保守を含む場合、月額5,000円〜2万円が目安です。これを超える場合は、何が含まれているか内訳の確認をおすすめします。更新代行・SEO対策・アクセス解析レポートなどが含まれているなら、3万円〜5万円の費用も妥当な範囲です。

Q制作会社を変えると、サーバー・ドメインはどうなる?

A

サーバー・ドメインを自社で直接契約していれば、制作会社を変えても継続して使えます。制作会社名義で契約している場合は、ドメイン移管の手続きが必要になります(移管費用が発生することもあります)。契約時に「ドメインを自社名義で取得する」よう確認しておくことが大切です。

Q「更新費」と「修正費」はどちらを選ぶべきか?

A

月1回以上の更新・修正が発生する場合は月額定額制がお得です。年間3〜4回以下なら都度払いのほうがトータルコストが低くなります。自社で更新できる体制があるなら、どちらも不要になります。

まとめ:まず「何に払っているか」を整理することから始めよう

ホームページ公開後の費用を正しく管理するには、5つの言葉の定義を理解し、自社が何にどれだけ払っているかを把握することが第一歩です。

この記事のまとめ

  • 「維持費(固定)・管理費(まとめ名称)・保守費(セキュリティ)・更新費(追加)・修正費(変更)」の5つを区別して把握することが費用管理の出発点
  • サーバー・ドメインを自社直接契約に切り替えるだけで、月数千円〜1万円の削減ができる。セキュリティ・バックアップは削減してはいけない費用
  • CMSで自社更新できる体制を整えると、更新費・修正費がゼロに近づく。保守費のみ月額契約にする分業スキームがコスト最適化の近道
まとめ

弊社では、ホームページ制作後の費用体系についてご不明な点があれば、現在の契約内容のチェックやコスト見直しのご相談を無料で承っております。「払いすぎていないか確認したい」「制作会社を変えたい」といったご相談もお気軽にどうぞ。