ホームページ維持費6種類を図解したインフォグラフィック

「ホームページを作ってもらったのに、毎月何にお金がかかっているのかよくわからない」

「制作会社から管理費として毎月1万円請求されているが、何をやってくれているのか説明がない」

HP制作後にこんな不安を抱える経営者・担当者は少なくありません。実際、私たちのもとに寄せられるご相談の中でも、「今の維持費が妥当なのか確認したい」というものは毎月複数件あります。

この記事でわかること

  • ホームページ維持費6種類の内訳と年間相場
  • 制作会社の「管理費1万円」の中身の実態
  • ホームページを放置すると起きる3年後の現実(実例)
  • 自分でできる作業とプロに任せるべき作業の仕分け方
  • 今払っている維持費が適正かチェックする方法

ホームページの維持費は大きく分けると6種類の費用から成り立っています。この6種類を正確に理解することで、「必須の費用」と「任意の費用」を区別でき、今の契約が適正かどうかを自分で判断できるようになります。

この記事は、HP制作会社として10年以上の実務経験を持つ筆者が、維持費の全体像・各費用の相場・制作会社が管理費に何を含めているかの実態まで、包み隠さず公開するものです。「なんとなく払い続けている」現状から抜け出すための具体的な判断基準をお伝えします。

ホームページの維持費は6種類ある|まず全体像を把握しよう

ホームページ維持費の必須費用3点・任意費用3点を示す図解

「維持費」という言葉でひとまとめにされがちですが、実際の中身は性質の異なる複数の費用が混在しています。制作会社から送られてくる請求書に「管理費一式」と書かれているだけでは、何に払っているのかわかりません。まずは費用の全体像を把握しておきましょう。

ホームページの維持費は、「HPをネット上に存在させるための必須費用3点」と、「品質・集客を維持するための任意費用3点」に分類できます。

#費用項目必須/任意自分で対応できるか
ドメイン費必須◎ できる
サーバー費必須◎ できる
SSL費必須△ 設定が必要
保守・セキュリティ費任意△ 知識が必要
コンテンツ更新費任意◎ 自社でできる
SEO・広告運用費任意△ 専門性が必要

前半の①②③は「HPがネット上に存在し続けるため」に絶対必要な費用です。これらがなければホームページは表示されなくなります。後半の④⑤⑥は選択次第で金額が大きく変わる費用で、「払わなければいけない」ものではありません。

この区別を理解するだけで、「本来は不要な費用まで払っていた」「思ったより安く運営できる」という発見につながることがあります。

ポイント

維持費の全体像を把握するには「必須費用3点」と「任意費用3点」を分けて考えることが第一歩。6種類すべてがかかるわけではなく、最低限の維持費は年間2万円以内に収まることもあります。

維持費6種類の相場を内訳ごとに徹底解説

では、各費用の具体的な相場を見ていきましょう。それぞれ「最低ライン・標準・高い場合」の3段階で示します。

①ドメイン費(年間1,000〜3,000円)

ドメインとは「example.co.jp」のようなWeb上の住所のことです。年1回の更新で維持でき、費用はドメインの種類によって異なります。「.com」は年間1,000〜1,500円、「.co.jp」は年間2,000〜3,000円が相場です。

更新手続きはお名前.comやムームードメインなどで自分で行えます。制作会社に代行してもらっている場合でも、数百円程度の作業費が上乗せされる程度が適正です。「ドメイン費として毎月1,000円請求されている」場合は内容を確認しましょう(ドメインの更新は年1回です)。

②サーバー費(年間6,000〜36,000円)

HPのファイルやデータを保管するサーバーの費用です。共有サーバーであれば月500円〜3,000円が相場で、エックスサーバー・さくらインターネット・ロリポップなどの主要サービスを使えば年間6,000〜36,000円の範囲に収まります。

サーバーの契約・管理は自分でも行えますが、移行作業や設定変更は技術的なハードルがあります。制作会社経由で契約している場合はマージンが乗っているケースがあります(詳しくは後述)。

③SSL費(年間0〜30,000円)

URLが「https://」になるための暗号化証明書です。現在はLet's EncryptなどのSSLが無料で提供されており、多くのレンタルサーバーで標準搭載されています。「EV-SSL」など企業の実在確認を行う有料SSLは年間3万円前後かかることもありますが、中小企業の一般的なHPでは無料SSLで十分です。

注意点

「SSL費として毎月数千円請求されている」場合は必ず内容を確認してください。無料SSLで対応できる環境にもかかわらず、有料SSLを契約させられているケースがあります。

④保守・セキュリティ費(年間0〜120,000円)

WordPressのコア・プラグインのアップデート、不正アクセス対策、定期バックアップなどの作業費です。自社で対応できる場合は費用ゼロですが、技術的な対応が難しい場合は制作会社との保守契約が必要です。相場は月3,000〜10,000円(年間3.6〜12万円)が一般的です。

⑤コンテンツ更新費(年間0〜240,000円)

商品紹介・スタッフ情報・お知らせなどの更新作業費です。WordPressを使っているHPであれば自社でログインして更新できる場合がほとんどです。自社更新できる体制があれば費用ゼロです。制作会社に依頼する場合は更新1回ごとに3,000〜10,000円、月1回更新なら年間3.6〜12万円が相場です。

⑥SEO・広告運用費(年間0〜600,000円)

Google上位表示のための施策(SEO対策)や、Google広告・SNS広告の運用費です。必須ではありませんが集客を強化したい場合に検討します。SEO運用は月3〜5万円(年36〜60万円)が相場で、広告運用は広告費に加えて運用手数料20〜30%がかかるケースが多いです。

費用項目最低ライン標準相場(年)高い場合(年)
①ドメイン費1,000円1,000〜3,000円3,000円超は割高
②サーバー費6,000円12,000〜24,000円36,000円超は要確認
③SSL費0円(無料SSL)0円有料は内容確認を
④保守費0円36,000〜60,000円120,000円超は内訳確認
⑤更新費0円(自社更新)36,000〜60,000円自社更新で削減可
⑥SEO費0円360,000〜600,000円任意・効果確認必須

制作会社の「管理費1万円」の内訳を公開します

請求書を見て困惑するビジネスマンのイラスト

多くの制作会社が「管理費」という名目で月額料金を請求しますが、その内訳がきちんと説明されないケースが業界的に多いのが現状です。

ここでは、私たちが実際に月1万円の保守管理費に含めている作業を正直に公開します。

管理費1万円を分解すると何が含まれているか

弊社の場合、月1万円の保守管理費に含めている作業は以下の通りです。

1WordPressコア・プラグインの月次アップデート確認

バージョンアップの内容を確認し、互換性に問題がないかをテスト環境で確認してから適用します。所要時間は月30〜60分程度です。

2月1回の定期バックアップとデータ確認

ファイル・データベースのバックアップを取得し、復元できる状態であるかを確認します。

3稼働状況の定期確認

サーバーダウン・SSL期限切れ・エラーページ発生などを定期的にモニタリングします。

4軽微な文言修正対応(月30分以内)

電話番号・営業時間・スタッフ名前など、簡単な文言変更が月30分以内で収まる場合に対応します。

これらの作業を月1万円で行うことは、業界的には適正な水準といえます。問題になるのは、「管理費1万円」と請求しながら、実際にはサーバー費を預かっているだけ、という状況です。

サーバーの仕入れ価格と請求価格の差(マージン構造の実態)

レンタルサーバーはお名前.comやエックスサーバーなどで月500円〜1,500円で契約できます。制作会社がこれをお客様のために契約・管理する場合、マージンを上乗せして請求するのは通常の商習慣です。

問題になるのは、「サーバー費として月5,000〜10,000円を請求しているが、仕入れは月500円」というケースです。差額が管理工数に対する対価であれば理解できますが、その内訳が一切説明されないまま数年間請求が続くことがあります。

ホームページを作ってもらってから3年、毎月1万5千円の管理費を払っているんですが、内訳を聞いても「サーバー費とメンテ代です」としか言ってもらえなくて。先日、自分でサーバー代を調べたら月1,000円ちょっとで済むと知って、愕然としました。

製造業・従業員30名の総務担当者からいただいた相談です。制作会社に悪意があるとは限りませんが、管理費の内訳は一度確認することをおすすめします。「月次でどんな作業をしているか」「サーバー費は仕入れ価格で明示してもらえるか」を率直に聞いてみましょう。誠実な制作会社であれば正直に答えてくれます。

ポイント

管理費の内訳を聞くことは失礼ではありません。むしろ、「聞いたら嫌な顔をされた」という場合は、それ自体が制作会社を見直すサインです。

ホームページを放置すると3年後どうなるか(実例)

セキュリティ警告を見て困るビジネスマンのイラスト

「作ったあとは放置」という選択肢を取る企業は少なくありません。特に「問い合わせが来ているから問題ない」と感じている場合、HP自体に問題が起きていても気づかないことがあります。

参考情報

IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威」では、WordPressを含むCMSの脆弱性を悪用したウェブサイト改ざんが毎年上位にランクインしています。特に更新を怠っているサイトは攻撃の標的になりやすいと指摘されています。

保守なし3年放置の末路(弊社への相談事例)

3年前に作ってもらったホームページですが、急に問い合わせが激減しました。原因を調べてもらったら、問い合わせフォームが乗っ取られていて、スパムメールを大量送信する踏み台になっていたんです。自社のメールアドレスがブラックリストに入ってしまって、取引先へのメールが届かなくなっていました。

士業事務所・スタッフ5名の所長からの相談事例です。WordPressは定期的なアップデートをしないと、プラグインの脆弱性を突かれて不正アクセスを受けるリスクが高まります。このケースでは、フォームプラグインの古いバージョンが3年間そのままになっており、それが攻撃の入り口になっていました。

WordPressを放置すると起きるリスク

  • プラグインの脆弱性を突いた不正アクセス・情報漏洩
  • マルウェア感染によるGoogleのブラックリスト登録
  • ブラウザによる「このサイトは安全ではありません」の警告表示
  • スパムメール送信の踏み台となり、自社ドメインの信頼性が失墜
  • フォームへの不正投稿で個人情報が流出するリスク

「対応できません」と断られる理由

放置によって起きるもう一つの問題があります。長期間メンテナンスを行わなかったHPは、制作会社からも「対応できません」と断られることがあります。

PHPのバージョンが古すぎてサーバーが対応しておらず、WordPressのバージョンが数世代前で現在の環境に合わせるには全面的なリビルドが必要——こうした状態になっているからです。放置3〜4年後のHPは「修理するより作り直したほうが安い」状態になることが珍しくありません。

保守契約を結ぶ理由は「何かあったときのため」だけでなく、「HPという資産を長持ちさせるため」でもあります。車の車検と同じ発想で、定期的なメンテナンスコストは必要経費と捉えることが重要です。

自分でできる維持費 vs プロに任せるべき作業

維持費を最適化するには、「自分でできる作業」と「専門家に任せるべき作業」を正確に仕分けることが重要です。

自分でできる3つの作業

以下の3つは特別な技術知識がなくても対応できます。

  • ドメインの年次更新(登録サービスのマイページからクレジットカードで更新するだけ)
  • サーバーの年次更新(レンタルサーバーのマイページで更新・支払いを行う)
  • コンテンツ更新(WordPressのダッシュボードから記事・商品情報・お知らせを編集)

これらを自社管理に切り替えると、年間費用は「ドメイン1,000〜3,000円+サーバー6,000〜18,000円」の合計2万円以内に収まります。毎月制作会社に更新を依頼している場合と比べると、年間で数万円〜数十万円の削減になるケースもあります。

リスクを伴う作業(プロに任せたほうがよいもの)

一方、以下の作業は技術的な知識が必要で、誤操作によるサイト崩壊リスクを伴います。

  • WordPressコア・プラグインのバージョンアップ(互換性の確認・テストが必要)
  • PHPバージョンのアップグレード(動作確認と修正対応が必要)
  • セキュリティプラグインの設定と定期監視
  • サーバー移行(ファイル・データベース・DNS設定の変更を伴う)
  • SSL証明書の切り替えと設定変更

適正な維持費の目安

自社でコンテンツ更新・ドメイン・サーバー更新を自己管理し、保守のみを制作会社に委託する形であれば、年間維持費の合計は3〜6万円程度が適正です。月1万円超の管理費を払っている場合は内訳の確認をおすすめします。

サブスク型HP(0円制作)の維持費は本当に安いのか

サブスク型HPと通常制作の5年間コスト比較図

「初期費用0円・月額1.5万円〜」といったサブスクリプション型のHP制作サービスが増えています。「制作費がかからない」という点は魅力的ですが、維持費の考え方が通常制作とまったく異なります。

サブスク型の月額は「分割払い」という実態

サブスク型は「制作費をゼロにする代わりに、月額料金で少しずつ回収する」ビジネスモデルです。月額料金の中には制作費の分割払い分が含まれています。これは家賃を払い続けるイメージで、「払い続ける限りは使える・解約したら消える」という構造です。

サブスク型HPの注意点

  • 契約を解除するとHPも使えなくなる(データは基本的に持ち出し不可)
  • 月額料金は永続的に続く(5年後・10年後も払い続ける)
  • カスタマイズに限界がある(テンプレートベースが多い)
  • 制作会社を変えたくても乗り換えができない構造になっている

3年・5年で比較すると通常制作が安くなるケース

通常制作(制作費60万円)

  • 3年間:60万+維持費12万=72万円
  • 5年間:60万+維持費20万=80万円
  • HPは自社資産として永続保有
  • 制作会社を自由に変更できる

サブスク型(月2万円)

  • 3年間:72万円
  • 5年間:120万円
  • 解約するとHPが消える
  • 制作会社を変えられない

3年時点ではコストが同程度でも、5年以降は通常制作のほうが明らかに有利です。「初期費用ゼロ」の言葉に飛びつく前に、5年・10年のトータルコストで比較することが重要です。

今払っている維持費が適正かチェックする3つのポイント

現在の維持費が適正かを判断するための具体的な手順をお伝えします。

① 請求書の項目を書き出して仕分ける

STEP 1 請求書を用意して内訳を書き出す

「管理費一式」とだけ書かれている場合は、制作会社に内訳の明細を依頼します。「何の費用が含まれているか知りたい」と伝えれば、正当な依頼として対応してもらえます。

STEP 2 必須費用3点と任意費用3点に仕分ける

ドメイン費・サーバー費・SSL費の実際の相場と比較し、大きく乖離していないか確認します。サーバー費が月3,000円を超えている場合は内訳を確認しましょう。

STEP 3 任意費用の中で「自社でできる作業」を探す

コンテンツ更新・ドメイン更新・サーバー更新を自社管理に切り替えることで、年間の維持費を削減できる可能性があります。

② 管理費の内訳を制作会社に確認する

管理費の中に「何の作業が含まれているか」を明示してもらうことは、適正価格の判断に不可欠です。以下の質問を制作会社に伝えてみましょう。

  1. 月次でどんな作業を行っているか(作業内容の説明)
  2. サーバー費は実際いくらで契約しているか(仕入れ価格の確認)
  3. SSLは無料か有料か、有料の場合その理由は何か
  4. バックアップの頻度と保管場所・保管期間はどれくらいか
  5. 緊急時(サーバーダウン・ハッキング)の対応範囲と対応時間

③ 相見積もりで市場価格を把握する

現在の維持費が高いと感じたら、他社に相見積もりを取ることが有効です。「現在月〇〇円の保守契約をしているが、同等の内容でいくらになるか」と相談すれば、適正価格の目安が把握できます。

乗り換えが難しい場合でも、相見積もりの結果を元に現在の制作会社と交渉することができます。「他社では同内容で月〇〇円と言われた」という事実は、価格交渉の根拠になります。

ポイント

維持費の見直しで削減できた費用は、SEO強化やコンテンツ制作など「投資効果のある施策」に回すことをおすすめします。維持費の最適化は「節約」ではなく「予算の再配分」です。

よくある質問

Qホームページの維持費は経費になりますか?

A

はい、ドメイン費・サーバー費・保守費・更新費・SEO費はすべて事業に関連する費用として経費計上できます。科目は「通信費」「広告宣伝費」「支払手数料」などが使われますが、どの科目を使うかは会計士・税理士に相談してください。

Q維持費ゼロで運営できるホームページはありますか?

A

無料サービス(Ameba・note・Wix無料プランなど)を使えば理論上はゼロにできます。ただし、独自ドメインが使えない・広告が表示される・デザインの自由度が低い・会社の信頼性が下がるなどのデメリットがあります。最低限、ドメイン費(年1,000円)とサーバー費(年6,000円〜)は事業用HPに必要なコストとお考えください。

Q維持費が高い制作会社と安い制作会社の違いは何ですか?

A

違いは「作業内容の充実度」と「透明性」です。月次確認・バックアップ・緊急対応・セキュリティ監視が含まれているなら月1万円でも納得感があります。一方、サーバーを預かっているだけで月1万円という場合は割高です。「何の作業が含まれているか」を明確に説明してくれる制作会社を選ぶことが重要です。

QWordPressではなく静的サイトなら維持費は安くなりますか?

A

セキュリティリスクが低く、保守費用を削減しやすいというメリットがあります。ただし、コンテンツの更新がしにくくなるため、更新頻度が高い企業にはWordPressのほうが向いています。サーバー費・ドメイン費はどちらも同様にかかります。

まとめ

ホームページの維持費は「漠然と払い続けるもの」ではなく、内容を理解した上でコントロールできるものです。この記事のポイントをまとめます。

  • 維持費は6種類。必須3点(ドメイン・サーバー・SSL)は年間2万円以内が適正。任意3点は目的に応じて選択する
  • 管理費の内訳は制作会社に確認できる。「何をやっているか説明できない管理費」は見直しのサイン
  • WordPressの放置は3年後に深刻な被害につながる。最低限の保守体制はHPという資産を守る投資
  • 自社更新・自社契約に切り替えるだけで年間維持費を大幅に削減できるケースがある
  • サブスク型HPは5年・10年単位で見ると通常制作よりコスト高になる場合が多い
まとめ

「今の維持費が適正かどうか確認したい」「保守契約の内容を見直したい」というご相談は、お気軽にお問い合わせください。現在のご契約内容を拝見した上で、率直にアドバイスいたします。

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